かゆい所に手が届く機械学習ブログ

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私が生物系学科から情報系大学院進学を決めるまでの経緯

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この記事を読むと…

  • 生物系から情報系に転換した経緯と理由がわかる
  • このブログ運営してる人ってどんな人なのかちょっとわかる
  • 「とりあえず動いてみる」大切さがわかる

 

注:この記事では、「私の思考」を緑の枠に収めています。 

【高校生〜大学受験期】生物系学科を受験

私が大学受験時、生物系の学科を選んだモチベーションは主に次の2つです。

  • 山中伸弥先生のiPS細胞研究が話題になった頃で、それに触発されて)生物の再生能力についてもっと知りたい。

  • 高校での理科系科目「物理・化学・生物」の中では「生物」が一番好きだ。

 

単純ですね。高校生の狭い視野ではこれくらいのモチベーションしかありませんでした。

 

【大学1年生】プログラミング開始、バイオインフォマティクスをかじる

実際に生物系の学科に入って色々学んでいくうちに、次のように考えるようになりました。

  • 再生医療ってもう結構研究が進んでるんだな、こんなペーペーの私が入り込める余地なんてなさそう…。

  • 生物のことについて知るのは楽しいけど、この知識を活かして将来仕事するイメージが湧かない…。

  • せっかく4年間もあるんだから、大卒資格をとるためだけに時間を溶かすのではなく、将来に活かせることをやってみたい…!

  • そういえば昔「ブラッティマンデイ」っていうハッカーのドラマ面白かったな。PCひとつであそこまで世界が変わるなんて。
    よっしゃ、プログラミングやってみるか!
    これからは生物と情報を組み合わせてなんかやれるんじゃね!?(n回目の中二病発動)

というような、始まりはしょうもないノリでした。

そして、とりあえず分厚い本を買って色々いじってみて、今までGUIでやってたことをコマンドで操作できる面白みを感じ、最初はわりと楽しかったのです。

しかし、徐々に目的を失いました 。

 

ちょっと大事な余談

最初の取っ掛かりとして、「方法」だけつらつら書いてある分厚い本を網羅的にやるのは、本当におすすめしません。
とりあえず網羅的に学びたい気持ちもわかりますが、そんなあなたは「受験病」もしくは「チャート病」かもしれません…。

「とりあえず手を動かして何かを作ってみる」→「その過程で必要な知識を埋めていく」という流れのほうが、モチベが続きやすいと思います。

 

そうして私は、こう思うようになります。

 

実際に研究でどのようにプログラミングが使われているか知りたい!

 

そしてなんとか相談できる教授にアポをとり、思いの丈を話したところ、その先生のラボの助教バイオインフォマティクス(遺伝子解析)をやっているということで、その先生のもとに通うことになりました!(相談してみるものですね!)

 

その教授のもとで、まず1台PCをお借りし、Linuxの操作から勉強しました(当時の私はWindowsしか使ったことがなかったので操作に慣れるのでも一苦労)。

 

そしてざっくりいうと、本やサイトを参考にしながら見よう見まねで約1年かけて、

「公開されているデータの中から、健常者とⅠ型糖尿病患者のCD4陽性T細胞のRNA-Seqデータをダウンロードし、クオリティコントロールマッピングを行い、発現量の変動を比較する」ということをなし遂げました。

1年も時間がかかったのは、

 

  • ひとつひとつライブラリをインストールするだけでもエラー三昧
  • 何かコマンドを打つごとにエラー
  • そのエラーを解決するために検索しまくる
  • そこで知らない用語が山ほど出てくるので、まずそれらを調べる…

 

という感じで、この記事の読者様はご存知かもしれませんが、思わぬところでエラーが山ほど出てくるのです…。

なおかつ、その先生の方針は「極力自分で考える、独学で習得せよ」というものでした。
もちろんその力も大切です。自分でろくに調べないで質問するのは、相手方にも迷惑だし、何よりエラーが出て奮闘しているときこそ得られる知識も多いと思うからです。

しかし、それまでターミナルにも触れたことがなかったレベルでしたので、検索してもわからないことや、そもそもその検索が的外れのこともあります。
そこで私はこう思うようになりました。

 

  • 検索して何時間考えてももわからないことは、さすがに質問したい。

  • 情報系寄りの研究室に行ったら、もっといい学習環境があるかもしれない!

 

このとき、夏休みのアメリカ留学(いうて1ヶ月だけ)から帰ってきたばかりで、「自分が動けばなんとか道は開ける」精神で溢れていていました(自分でも尊敬)。
そこで、調べて興味があった他大の見知らぬ研究室に「見学させてください」という旨のメールを送って訪問したのです!

【余談】「一発で自分にあった研究室を見つける必要はない」という話

実はこのメールを送る数か月前に、別の2つの研究室も訪問しました。
しかし、その2つはこのように能動的な訪問ではなく、学部全体の大学院説明会のときに訪問しました。それはこのように「通いたい」という動機ではなく、漠然と大学院に進学したいと思っていて、「興味のある研究室ないかな~」というくらいのモチベです。

その2つもよかったはよかったのですが、あまりピンとこず、結局3つ目の、自分で勇気を出してメールを送った研究室が一番いいなと思いました。
何が言いたかったのかというと、本文ではいかにも「一発でいい研究室を見つけた」かのように伺えますが、「実はそんなにうまく物事が進んだわけではないよ」ということです…。(余談終了)

 

 

【大学2年生秋】他大の情報系研究室に通い、画像認識を学ぶ

当初は1回見学させていただくだけのつもりが、なんと運良く隔週でゼミに参加できることに!(とりあえず動いてみるって大事)

そこではまず画像認識を勉強しました。

先生や先輩がパワポをくださったり、おすすめのサイトを教えて下さったりして、まず手書き文字データセットのMNISTを用いた基本的なCNNによる画像認識のプログラムを作りました。

ゼミを通して深層学習を数式で理解できたり、他にも論文の読み方を教えてもらったり、もう感謝しかありません。この時期からこの研究室に修士で行きたいなと思うようになりました。

 

【注意】他大の研究室のゼミなどに参加することについて

「それってその大学に学費払ってないのにいいの??」と思う方もいる方もいるかもしれません。
しかし、その通う研究室の教授の許可(加えて、自分がすでに研究室に所属している場合は、自分の教授の許可)などがあれば大丈夫です。

「他大学の講義に潜る」などは学費が絡んでくるかもしれませんが、研究会やゼミに他大から参加しているひとは普通にいます。
しかし、自分がすでに研究室に所属している場合や、外部での研究活動が禁止されているところもあるかもしれないので、そのあたりは先生方に確認して、あとで大事にならないよう十分注意して行動することをお勧めします。
(ちなみに私は4年生から自大学の研究室に配属だったので、この時期はまだ研究室には所属していません。)

 

 

まとめとこれから 

これまでの経緯をまとめると、

CHECK
  1. 生物系の大学に入学

  2. 自分の学科の研究室に通い、遺伝子解析をやってみる→1年でやめる

  3.  他大の情報系の研究室に通って画像認識を勉強する

  4. 真剣に医療に貢献できる情報技術を学びたいと思う

  5. この研究室でそれができそうなので、大学院はここに進むと決意

という感じです。

大学院受験の攻略については下の記事で細かくまとめています。

huntouki.hatenablog.jp

 

ちなみに無事合格し、来年から大学院へ進むのですが、大学1年生のときにかじったバイオインフォマティクスもやっていきたいなと思っています。

情報学だけでは、学部4年間学んできた人と差別化できないかもしれないし、遺伝子情報と放射線画像を組み合わせて予後などを予測するRadiologyにすごく興味があるからです。

 

 最後に全体を通して学んだことをまとめておきます。

CHECK
  • 興味があったら動いてみる

  • 色々あがいても無理そうだったら環境を変えてみる

  • もちろん自分で検索して試行錯誤することも大事だが、聞ける人がいると圧倒的に効率が上がる

  • せっかくモチベーションをもって始めたのに、「ただわからないことが多い」だけで「私には無理だ」と思ってしまうのはもったいない

これからも、「点」をたくさん作って、それを「線」にして自分の知識やスキルを構築していきたいです!